ITパスポート試験とは、社会人になるために最低限必要なIT知識を問う国家試験です。情報処理技術者試験の1つで、情報処理技術者試験の中でも、もっともやさしい試験です。ITパスポートの「IT」とは、Information Technology、情報技術の略です。パスポートはご存知の通り、外国に入国するのに必要な身分証明書です。つまり、ITパスポート試験とは、海外ではなく、企業に入社するにあたって、最低限必要なIT知識を身につけていることを証明するための試験です。ITパスポート試験の合格率はおよそ50%です。IT関連の企業に勤めている方は全く準備しなくても受かる場合があります。一方で、社会人経験や、IT知識が全くない場合は、数十時間の学習時間が必要になります。受験資格はありません。年齢、学歴に関わらず、誰でも受験できます。試験はCBT(Computer Based Testing)と呼ばれる方式で行われます。CBTは、パソコンのディスプレイに問題が表示され、それをキーボードやマウスを使って回答するテスト形式です。同じ会場であっても、受験生ごとに異なる問題がランダムで出題されます。採点方式は公表されていませんが、問題の難易度を考慮して合格点が計算されます。受験料は7,500円です。試験会場は全国100箇所以上あります。試験日は、ほぼ毎日です。タイミングさえ合えば、試験を受けた2日後にまた試験を受けることも可能です。また、何度受けてもペナルティはありません。ただし、受験料は毎回かかります。試験時間は2時間です。出題数は全部で100問です。出題形式は4択です。4つの選択肢から1つの正解を選びます。合格基準は2つあります。1つ目は、総合点で6割以上の得点をすること2つ目は、3つの分野それぞれで3割以上の得点をすることです。ITパスポート試験には、ストラテジ、マネジメント、テクノロジの3つの分野があります。これらの分野全てで3割以上の得点が必要です。ただし、総合点で6割とれていれば、ほとんどの場合は分野別の合格点は満たすので、総合点で6割以上取れれば合格と覚えておけば良いでしょう。ITパスポート試験の受験者数は年間約10万人です。これまでのべ100万人以上が受験しています。社会人と学生の受験者の割合では、社会人が61%、学生が39%で、社会人の受験者が多いです。年代別の受験者の割合では、10代が20%、20代が53%と、新入社員向けの試験であることがわかります。IT、非IT系企業の受験者の割合では、意外にも非IT系企業の割合が多いです。このことからも、ITパスポート試験が、IT系の会社に入社するための試験ではなく、どんな会社に入社する場合であっても、必要とされる試験であることがわかります。